世の中には、すかさずお茶を入れる、というタイミングが存在するように思う。
まあ大体は、甘味なんかを買った時かな。暇な日に、友人がボタモチなんか持ってフラリと現れたら、
これはすかさずお茶を入れて、アッハッハなんて談笑し、勢いに乗っておろしソバでも食べに行きたい。
そしてソバと言えばサイダーで、サイダー1本くらい飲んでソバもひとしきり終わったら、
今度はソバ屋さんの方がすかさずお茶を入れるタイミングである。僕らはおとなしくそれを飲む。
そんなソバ屋さんの仕事も夕方には終わる。また明日、なんて云ってねばっていた常連さんを帰すと、
チャッチャッと片附けを済ませて、電気を消して、座敷の縁にふぅ、っと座る。
ここでもまたお茶を入れるタイミングである。入れるのはだいたい奥さん辺り。
洒落こんで烏龍茶なんかを入れることもあるが、特別いいお茶じゃなくたっていいんです。
銀婚式や金婚式の夕方。人生に2度くらいしかない、お茶を入れるタイミングが訪れる。
勿論旦那さんの方の出番だ。別に式なんて無くたって好い。お互いに確認することなんかも無いだろう。
食事を済ませた後、お茶でも入れるか、と云って旦那さんはお茶を「入れる」というよりは「淹れる」という感じで、
急須にお茶を注ぐのだろう。
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